Feb 10 2012
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ニュースピークは3つの群に分類できる。
- A語彙群
- 日常用語。ただし、意味の曖昧さや政治的意味は排除され、特定の具体的で明白な概念しか持たない。
- たとえば、「free」からは「政治的に自由」「知的自由」の意味は排除され(そのようなものはイングソックの下では異端の思想であるため存在することはできない)、「シラミからfreeである(シラミがいない)」、「雑草からfreeである(雑草がない)」というような意味しか残っていない。
- B語彙群
- 政治的目的のためにつくられた新語で、ほとんどは合成語。話者に対し好ましい思想を植え付けるためにつくられた。「Ingsoc」(イングソック、もとは「イングランド社会主義」の略で党のイデオロギーの名)、「goodthink」(正統性・正統的に考える)、「crimethink」(思想犯罪、自由や平等などイングソックに反するあらゆる思想)、「oldthink」(旧思想、革命前の古い邪悪な思想、客観性や合理主義など)、「crimestop」(犯罪中止、頭の中の思想犯罪に通じる思考を中断させること)、「thinkpol」(シンクポル、思想警察)「goodsex」(健全な性、純潔)、「joycamp」(歓喜キャンプ、強制収容所)、「ownlife」(利己生活、孤独な行動など個人主義的な逸脱をすること)、「Minipax」(「平和省」、軍事と戦争をつかさどる省庁)など。
- 婉曲語法や意識的に正反対な意味の語がもちいられているのは、実態(労働者の抑圧、家族の解体、各国が世界を分割支配し結託して永久戦争を続ける)とは矛盾した用語や思想(社会主義、指導者に対する家族的愛情、オセアニアによる世界の制覇)をかかげることで、両方を意識的に信じることのできるオセアニア国の「二重思考」(ダブルシンク、Doublethink)を支えるためのもの。
- C語彙群
- 科学用語、技術用語。技術的要請のために上記の2群をおぎなうための用語。ただし、政治的意味は排除され、また、「科学」という用語はすでになく、科学的思考自体が思想犯罪とされている。